試 用 期 間 に つ い て

職 場 ト ラ ブ ル レ ス Q 隊

試用期間とは?

試用期間とはお試し期間のこと

労働者を正式採用(本採用)する前の見極め期間(トライアル期間)のこと。
企業が新たに採用した従業員に対し、一定期間その適性・能力・勤務態度などを評価するための期間です。

法的な位置づけ(日本の労働法)

◉ 試用期間でも「労働契約は成立」している

  • 試用期間中であっても、労働者としての地位は確定しており、労働基準法も適用されます。

  • 給与・労働時間・残業・社会保険などの待遇は、基本的に本採用と同様の扱いになります。(ただし、若干異なる契約を設けることも可能)

◉ 法的根拠

 

  • 労働基準法に直接「試用期間」という定義はありません

  • しかし、判例(特に最判昭和48年12月12日:三菱樹脂事件)などにより、試用期間中であっても正当な理由がなければ解雇できないとされています。

試用期間の主な特徴

特徴 内容
期間 一般的には1〜6ヶ月(延長する場合もあるが合理性が必要)
解雇のしやすさ 一定の「解雇の自由」が認められるが、客観的合理性社会通念上の相当性が必要
待遇 原則として本採用と同じ(ただし、一部条件の違いは可能)
社会保険加入 基本的に初日から加入義務あり(条件を満たす場合)
試用期間満了後 明示的な「本採用通知」または黙示的に本採用とみなされる

試用期間中の解雇についての注意点

企業は「試用期間中ならいつでもクビにできる」と思いがちですが、実際は違います。

解雇に必要な条件

  1. 客観的に合理的な理由  - 明らかな勤務態度不良  - 能力不足や業務に著しく不適格  - 重大な規律違反 など

  2. 社会通念上相当と認められること

 さらに、14日を超えて勤務した場合、解雇には30日前の予告または30日分の解雇予告手当の支払いが必要です(労働基準法第20条)。

試用期間に関する企業側の義務

  • 就業規則や雇用契約書に明確に試用期間の内容を記載する必要あり

  • 試用期間中に解雇する場合も、適切な手続き説明責任が求められる

豆知識:試用期間と有期契約との違い

項目 試用期間 有期契約
契約の前提 本採用を前提とした「お試し期間」 一定期間だけ働く契約
解雇のしやすさ 一部柔軟に扱える(ただし制限あり) 契約期間満了までは解雇しにくい

労働者の立場からみた試用期間

 

  • 試用期間中も「社員」としての権利はあります。

  • 不当解雇や不利益な扱いがあれば、職場トラブルレスQ隊までご連絡ください。

  • 不明確な試用条件は、入社前に契約書などでしっかり確認しましょう。